ブログ開設のごあいさつ
こんにちは。ワタナベシステムサポート代表の渡邊です。
本日、ブログを開設しました。
「Webを地元の力に」をテーマに、Webを地方ではどう活用し成果につなげていくか、その方法や事例、考えたことなどを発信していきたいと思います。
末永くおつきあいをいいただけると幸いです。
まず、当事務所を簡単にご紹介します。
花巻市とその近郊の中小規模のお客様を対象に、
Webサイトの企画と制作をメインに、制作後のセキュリティ保守やサイト運営の代行、および、運用基盤であるネットワーク環境やパソコンの設定、などを承っています。
会社リタイア後に66才で、昨年2021年に開業したばかりのNew Face(?)です。
Webサイト制作に限らずWebサイトまわりのことを含めて何でもご依頼いただける、また、売上アップに向けたWeb活用のパートナーとしてご指名いただける、そんな頼りになる事務所を目指して精進したいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
はじめに
正直な気持ちの打ち明けからになりますが、当初、会社時代のWeb制作の経験をもとにこの業界への参入を考えたものの、競合者も多い中で、はたして自分は何を強みにしていけるだろうという自問自答がありました。
それが、地方でのWeb活用の事情や課題を調べ、これまでのキャリアを棚卸ししているうちに、自分のような者こそがこれからは地方のお客様のお役に立てるのではという確信に変わり(手前味噌ではありますが(^^;)、開業を決意させることになりました。
今回の記事では、なぜそのような考えに至ったのかをご紹介しながら、地方のホームページ屋のあり方を考えてみたいと思います。
地方でのWeb活用の事情と課題
実際に地元の何人かにお聞きしたり、ネットで調べると、地方のWeb活用は次の問題に直面していると感じます。
- Webサイト導入の底辺が広がっていない…必要性を感じなくはないが、どう動いてよいか分からない状態
- Webサイトを導入済みだが、成果が出ている実感がない…事業戦略的なWebサイトになっておらず、どう解決したらよいか分からない状態
前者は、地方は都市に比べ、デジタルよりも紙(チラシ)や口コミという意識が根強いのが背景にあると思います。それでも、若い世代を中心にデジタルは広がっているし、Webサイトを設けて彼らを取り込まないことには商売を維持・拡大ができないという危機感はある。しかし、慣れない分野のため、なかなか腰を上げれないというのが実情かと思います。
この状況を踏まえると、「お客様がWebサイトを導入しやすい環境にする」ことが、課題の一つと言えそうです。
後者は、お客様とWeb制作事業者間の構造的なところに問題が潜んでいます。
まず、お客様側の状況です。20年前のインターネットバブルのころは、ホームページを持つこと自体が目的で、それを事業にどう活かすかという発想があまりありませんでした。現在は、事業での効果を出すために、ホームページの作り方も、当時とは異なる発想や手法が求められますし、SNSの領域まで広く見る必要もでてきました。
地方では、この変化に対し、お客様が追随できずに、インターネットバブル当時の状態がまだ尾を引いているところが多いということだと思います。
一方のWeb制作事業者も、どちらかというと視覚的なデザインが専門で、お客様の事業戦略をWebに組み込む視点を苦手にしているところが多いのが実情です。
依頼する側も、それを受ける側も「Web×事業」のところで、何をどうしていいのかわからなくなっている。ここに地方でWebサイトの効果が上がっていない原因があります。
この解決のためには、「Webと事業の間を橋渡し・調整する能力」をどう確保していくか、がポイントとなりそうです。
Webサイトを地方飛躍のチャンスに
Webサイトに成果を求める一方で、それほど期待はしておらず、パンフレット程度の役割で十分という考え方があるかもしれません。しかし、インターネットやSNSが地方でも都市と同じように低コストで公平に利用でき、さまざまなビジネス機会をもたらしていることを踏まえると、地方こそ大きなチャンスであり、売れるWebサイトを模索しない手はありません。
ウィズコロナでは否応なしにWebサイトの充実が求められる面もあります。例えば、対面の営業機会を減らさざるを得なくなると、Webサイト上に営業情報を充実させ、YouTube動画で営業マンや現場の担当者が登場してわかりやすく説明するなどの方策が考えられます。うまく対応していけば、コストダウンになるばかりか、情報の質が高いほど顧客を引きつけ、受注増につながる可能性もあります。
課題解決の一答え 自分のキャリアとも一致
地方のWeb活用の課題を見てきましたが、まとめると、次のとおりです。
- Webサイト導入の底辺が広がっていない → お客様がWebサイトを導入しやすい環境にする
- Webサイトの成果が出ていない → Webと事業の間を橋渡し・調整する能力を確保する
これに対し、地方のホームページ屋としてどう応えることが解決になるのか、自分が経験してきたことと合わせながらレビューしてみました。
その答えが、Webデザイナーとしてだけではなく、以下の役割を持つということです。
- Webサイト導入のトータルサポーター(ゼネラリスト)
- 「Web×事業戦略」構築のパートナー
当事務所は、幸いこの分野の経験を積んできており対応が可能です。課題背景に照らし、さらにブラシュアップしていく所存です。
Webサイト導入のトータルサポーター(ゼネラリスト)強み ... Web制作に限らず、Webまわりの整備も広くカバーできる技術を保有
Webサイトを動かしていくには、Webサイトの制作以外に、周辺の環境を整える必要があります。その内容は、
- パソコンの設定
- インターネット接続
- 事務所内部のネットワーク構築
- レンタルサーバやドメインの契約と設定
- メーラー設定(問い合わせフォーム等からメール受信など)
- 日々の更新作業
- セキュリティやバックアップなどの保守
など多岐に渡ります。
これらを、Web制作、通信・システム、レンタルサーバなどの各事業者へバラバラにお客様ご自身が手配となると大変で、これが導入障壁の一つになっていると考えられます。
Web制作の事業者がこれら業務すべてを引き受け窓口一つであれば、お客様にとって最も負担が少なく、お客様の円滑なWebサイト導入の助けになるでしょう。
当事務所は、上記すべての業務を会社時代以降ひととおり経験しているため、窓口一つでどれでもお受けすることが可能です。
Web制作のスペシャリストを目指しながら、その周辺のことすべてに対応する「ゼネラリスト」でありたいと思います。
「Web×事業戦略」構築のパートナー強み ... 「事業戦略の展開」コーディネータのキャリアを売れるWebづくりに反映
会社時代に「事業戦略の展開」のコーディネータをしていました。
この仕事は、経営者の事業方針をもとに、関係者で協議して事業戦略を練り、それを実行計画に落とし、実施状況を監視しながら必要な修正をしていく、いわゆる事業のPDCA(Plan/Do/Check/Action)プロセスを舵取りするのが役目です。
Webへの戦略の組み込み(いわゆる「Webマーケティング」)も、対比してみると、基本のプロセスとその中でおさえるべき勘所(かんどころ)は「事業戦略の展開」と全く同じであることが分かります。
(→ 「 「Webマーケティング」は 「事業戦略の展開」 の縦割り一要素 」を参照)
「事業戦略の展開」と「Webマーケティング」のどちらも、売上アップのゴールに向け施策を講じていくことになりますが、ヒト・モノ・カネの経営資源には限りがありますので、どれに重点配分するかの戦略があり、施策には変革をともなうことがしばしばです。これらの意思決定や状況監視のために現状の測定(=データ分析)が重視されます。また、戦略=仮説ですので、結果を検証し、継続的に修正・改善していく姿勢も重要になります。
Webマーケティングは、Webテクニカルな面にとどまらず、このようなお客様の経営事項そのもののため、ホームページ屋がストレートには入っていきにくい現状があります。
この点、Webのことが分かり、事業戦略のプロセスも心得ている ホームページ屋 であれば、事業とどう歩調を合わせるかなどのコミュニケーションが円滑になり、Webマーケティングを進めやすくなるでしょう。
当事務所は「事業戦略の展開」のコーディネータとしての経験を活かし、「Web×事業戦略」の懸け橋として、お客様の「Webマーケティング」をお手伝いできます(*)。
*Webマーケティング独自のパラメータや解析・対策手法はまだ経験が浅いと自認するところですが、実戦で適時に取り入れる基礎は習得しております。
「Webマーケティング」は 「事業戦略の展開」 の縦割り一要素
ここでは、 「Webマーケティング」 が、筆者が会社時代に仕事としてきた「事業戦略の展開」 とどのような関係にあるかを具体的に見ていきます。
事業全体で稼ぐ中に、Webで稼ぐ分がありますので、戦略を検討し実行するフローで見ると、「Webマーケティング」は「事業戦略の展開」の縦割りの一部と位置づけられ、基本の進め方は両者同じであることが分かります。
以下の1~5は、「事業戦略の展開」のフローです。
この中に、「Webマーケティング」要素の具体例を入れてみました(ピンク色枠の箇所)。
「事業戦略の展開」のフローに照らしてみる
Webマーケティング部分の仮定
- 老舗の味噌・醤油醸造会社
- 地域での人気をテコに全国にも拡販しようと最近ECサイトを設けた。
- ECサイトでの売上アップのため、前年度比+2千万円(=5千万円)を目標に、ぺージリニュアールを行うことにした。
- 売上=((新規訪問回数×新規訪問購入率)+(再訪問回数×再訪問購入率))×平均単価、を基本に、アクセスデータ解析の結果などを踏まえ、売上目標達成への各戦略(方向性、KPI、施策)を検討した。
戦略の策定
ゴールの売上・利益目標の達成に向け、そこまでの道筋をこの第一ステップで明確にします。
重要な要素をもらさないために、また、それぞれが有機的につながり納得感がある戦略シナリオとするために、4つの視点(財務、顧客、業務プロセス、学習&成長)から戦略を検討します。
また、それぞれの戦略別に、どのような状態になっていれば成功したと言えるかを管理するための指標と目標値(KPI)を設定します。
視点 | 方法 |
1.財務 |
当期の売上や利益を会社や事業部としてどれぐらい伸ばすのかその目標を掲げます。 【Web経由の売上増加 |
2.顧客 |
売上・利益目標を達成するために、顧客・市場の視点から、どのセグメントをどのように攻めていくのか、その方向性とそれぞれの内訳目標を明確にします。 【Web新規訪問増加】 |
3.業務プロセス |
顧客セグメント別の目標を達成していくには、仕事のやり方やしくみを変革しなければならないことがしばしばです。その方策をたてます。 【新規訪問のための広告強化 |
4.学習&成長 |
仕事の変革のためには、組織の雰囲気を変えていかなければならなかったり、教育が新たに必要だったり、設備・システムなど投資も必要になることがあります。これらの組織の土壌・文化や、スキル、インフラに関する見直し事項も明確にします。 【基礎スキル向上と情報共有】 |
実行計画の設定
戦略の次は、誰がいつまでに何をの、具体的な実行計画に落とし込んでいきます。
実行
実行計画にそって実施します。
監視と修正
計画どおりに実行できているのか、各管理指標の目標値への到達度はどうかを、月次など定期的に監視を行ない、遅れや未達がなどがあれば必要な修正をします。
期末反省と事業戦略展開プロセスの見直し
実行の結果、事業戦略展開のプロセス で問題となった箇所はなかったか、来期改善すべきことは何かを検討します。
両者に共通の勘所 ここをやりきれるかで成否が分かれる
経験から、PDCAの面では以下がポイントになると捉えています。
- 「戦略思考」で計画する
- 戦略の気づきを多く、豊かにする話し合いプロセス
- 現状を的確に計測するデータ「分析」
- ゴールまでの過程でキーになるところに、どうなっていれば成功した状態かの指標(KPI)を設け、実行を管理
- やりかたを「たゆまず改善」して成長(反省点を次の事業戦略展開プロセスの見直しに反映させる)
- 上記のプロセスを関係者が十分に共有
反省点を次の事業戦略展開プロセスの見直しに反映させる
議論を重ね吟味して作ったつもりの戦略や実行計画でも、結果がうまくいかないこともしばしばです。
経営の方針に帰着する問題だったり、顧客・市場への洞察や分析が不十分だったり、戦略についての討議が固定的になってしまい気づきを多く得られるような話し合いになっていなかったり、リスク対応が不十分だったり、組織能力不足の問題だったりと、難しいことが多いのも事実です。
しかし、大事なのは、やりかたのどこが拙かったのかをよく反省して、次に活かすこと。
最後にこれをしておくことで、次回の確度、精度が上がます。
泥臭いことばかりですが、これをいかにやりぬけるかの信念とチーム力に成否かかっている面もあり、コーディネータの役割が重要になる所以です。
まとめ
今回の記事でお伝えしたのは、
地方でWeb活用を進めていくための課題には、
1.Webサイト導入の底辺が広がっていない → お客様がWebサイトを導入しやすい環境にする
2.Webサイトの成果が出ていない → Webと事業の間を橋渡し・調整する能力を確保する
があり、
これに地方のホームページ屋が応えていくには、従来の役割に対し、
1.Webまわりも含めて広くサポートする「ゼネラリスト」
2.お客様のWebマーケティングに深く関わる「戦略構築パートナー」
(キーワードは「戦略思考」「データ分析」「たゆまず改善」)
を加えることが必要では、
という内容でした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。